雨の石段

君が住む 噂をきいて
はるばると 訪ねて来たよ
ここは湯の町
小雨にけむる 石段を
蛇の目の傘が おりてくる
すその乱れも あでやかに

思い出を たどればいつも
泣き顔の 姿が見える
それは君だよ
あのとき君を 抱きしめて
言葉も忘れ ふるえてた
さだめ悲しい 秋の暮れ

目を伏せて 障子をあけて
三ツ指を ついてた君よ
いとしかったよ
このままつれて 帰りたい
北国とおい ふるさとへ
酔えば悲しい 夜明け前
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