翔歌

この歌は…父の背中で聞いたのか
それとも母の腕の中
いずれにしても この俺を
育ててくれた 歌だった
あれから何年 何十年
乾いた都会の 真中で
疲れた人の ためにだけ
俺は ときどき 歌っている
影法師 影法師 ひきつれて行く帰り道
ともしび三つ わが家が一つ

この歌は…恋がいのちであった頃
男の友に惚れた頃
いずれにしても 人生を
照らしてくれた 歌だった
貧しさ苦しさ 乗り越えて
花咲く都に ひとり立ち
未来はどこと 睨みつつ
俺は ときどき 歌っている

初恋の 初恋の
言葉をそえて桃の花
あなたに三つ
こちらに一つ

初恋の 初恋の
言葉をそえて桃の花
あなたに三つ
こちらに一つ
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