風の小僧

北の大地を 我がもの顔で
風の小僧が 吠えている
根雪かぶった その下で
春の芽吹きを 待っている
何時かかならず 世の中の
人目引くよな 花に成る

山に若葉の 顔出す頃は
風の小僧が ほほなでて
寒さ過ぎれば うれしさに
唄い出すのさ うぐいすも
めげず進めば 誰だって
きっと芽の出る 時が来る

夏の陽射しに 汗かきながら
風の小僧が 去っていく
冬に折られた 木の幹も
秋に成るまで 枝を張る
忍の一字を 杖にして
生きて行くのさ 今の世を
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