潮鳴り海峡

すがりつきたい あなたの船を
なんで冷たく 引き離す
北の早瀬の 帰り波
波に罪など ないものを
女 女なりゃこそ 憎くなる 潮鳴り海峡

髪の乱れを 梳(と)かした後も
眠れなかった 夜明けまで
窓に漁火 海蛍
枕がわりの あの腕に
こころ こころ預けた 港宿 想い出ひと夜

逃げて行くよに あなたの船は
潮に流され もう遠い
北の早瀬の 帰り波
夢をさらって 行くのなら
どうぞ どうぞ私も 連れてって 潮鳴り海峡
×